心の知能指数(EQ)とは?測定方法から高める方法まで

心の知能指数(EQ)は、現代社会において非常に重要なスキルです。

このEQとは、自分自身の感情を認識し、制御し、評価する能力を指します。感情を理解し、適切に表現する力は、私たちが日常生活を円滑に過ごすために欠かせないものです。

さらに、EQが高い人は自分の幸福度を向上させるだけでなく、他人に対する理解も深めることができます。

これは、IQが遺伝による影響が大きいのに対し、EQは学習や経験を通じて強化できるためです。

友人がなぜ悲しんでいるのか、なぜ怒っているのかを理解できないと、コミュニケーションがうまくいかず、日常生活がストレスフルになることが想像できるでしょう。

EQの重要性は、個人の幸福度や社会的成功に直結しています。

専門家の中には、EQがIQよりも人生の成功において重要であると主張する人もいます。

自己認識、感情の管理、他者への共感など、EQの高い人はさまざまな状況で優れた対応を見せます。

本記事では、EQとは何か、その測定方法、そしてEQを高めるための具体的な方法について詳しく解説します。

EQを理解し、高めることができれば、より良い人間関係や幸福感を得ることができるでしょう。

心の知能指数(EQ)とは?

心の知能指数とは?感情を認識・制御・評価をする能力のことを指します。そして、この能力が高いほど自分の幸福度を高めながらも他人に対しても理解を示す現代でIQ以上に求められる能力だと言えるでしょう。

IQの場合は大半が遺伝からの影響が大きいのですが、EQの場合は・・・

・学習と経験について強化できる
・遺伝によって生まれつきの特徴

どちらの説も立証されているので、生まれつきEQが高い人もいる。しかしEQが低くても学習と経験によって高める事ができるということです。

この感情を表現したり抑制する力は、この社会を生きる上で必要不可欠です。しかしこの人間社会を生きていく上で他人の感情を理解し対応する能力も必要ですよね。

友人がなぜ悲しんでいるのか?なぜ怒っているのか?なぜ無視されているのか?わからない状況を想像してみてください。かなり生きていくのがキツイはずです。

こういった感情を理解し使いこなす能力のことを心の知能指数=EQと呼んでおり一部の専門家は人生の成功においてIQよりも重要である可能性があると言っている方もいるのです

EQの測定方法

心の知能指数レベルの測定をするためには、様々な視点で評価をおこないます。主に自己申告のテストと能力テストの2つのタイプの測定方法があります。

自己申告テストは、質問に答えるだけなので最も一般的です。たとえば「他の人の気持ちを理解していると感じることが多い」などの質問に対して「あてはまる」「あてはまらない」などを選ぶだけです。

能力テストに関しては、さまざまな状況の中で実際にどう反応したのか?どう感じてのか?を客観的に評価をします。

そのため基本的にEQの測定は自己申告テストのほうが一般的です。そのため、もしあなたが心の知能指数の数値を測定したいのであるのならば日本で最も信憑性の高いテストをうけてみてください。

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EQをつかさどる4つの要素

研究者たちは、EQ(心の知能指数)には主に4つの感情的知性があることを示唆しています。具体的に1つずつ解説をしていきましょう。

感情を知覚する力

感情を理解するためには、まずは感情を正確に知覚する必要があります。人の感情というのはコロコロと変わるのでこの感情を正確に知覚することは難しいです。一般的にはボディーランゲージや表情など非言語信号を理解するところからトレーニングします。

感情による推論

そして、感情を理解できるようになったらそこから認知の仕方、思考の仕方を促します。感情は行動や反応のエネルギー。そのため上手にその感情を使うことによって行動を促したり思考を変えたりすることができるようになります。この推論ができるよになると相手・自分が何によって感情が動くのかを把握できるようになるでしょう。

感情を理解する

知覚した感情には人それぞれの意味付けがなされています。誰かが怒りの感情を表現している場合。それを見ている人はただ「怒っているんだ」とビクビクするのではなく、その原因とそれがどんな意味があるのかを解釈しないといけません。必ずしもそれがただ憎しみや怒っているだけというような解釈をするのではなく本当の原因を見つけ出せて初めて理解したとなるのです。

感情の管理

感情を効果的に管理する事ができるようになること。これこそが心の知能指数の最も重要な部分でありここを極めることが最高レベルだと言えるでしょう。感情を状況に合わせて調整し適切に対応することができたり、他人の感情に対して適切な対応ができれば自分のパフォーマンスを最大化させたり誰かとの深いつながりを構築できるようになるでしょう。

この4つの要素は、それぞれが大事で全体的にレベルをあげていくことによって心の知能指数が高い状態になることができます。まだEQの点数が低い場合は「知覚・推論」からはじめていきましょう。

EQが高くなる具体的な影響

近年、日本でも社会的および感情的知性に関して学ぶことへの関心が高まっていますが米国では学校のカリキュラムにSELプログラムというEQを高める学習を標準的に取り入れられています。

それは米国ではEQが健康や福祉的な部分だけでなく学業での成功やいじめを防ぐことに役立っているからです。では、そんな心の知能指数が私達の日常生活でどのような役割を果たすことができるのか?について多くの事例があります。

反応する前に考える事ができる。

感情的な知性を持っている人=EQが高い人は、感情の力が強力な動機付けになっていることを知っていますが、それが一時的なものであることを知っています。誰かの一言で腹を立てたり、激しい怒りであったとしてもそれがEQが高い人はすぐには反応せずに感情を落ち着かせて、言葉の意図を熟考したり議論をして深掘りして合理的に考えることができます。

自知力・自己認識

自知力というのは、自分のことを知っているという事です。心の知能指数が高い人は他人がどう感じているのかを考えるのが得意であるだけでなく、自分の気持ちを理解するのにも長けています。

自己認識ができることによって、自分の感情を把握し自分を知ることができるようになるでしょう。

他人への深い共感

感情的な知性が高いほど、自分以外の他人がどのように感じているのか?について考えて共感することができます。なぜこんなことができるのか?
それは、他の人の視点や経験、感情を考慮にした上で人がどのように行動するのか?がわかるからですそして、そういう人達はその理由まで説明できるようになるのです。

EQをどう活かすことができるのか?

では、心の知能指数は日常生活の中でさまざまな場所で使うことができるでしょう。いくつかその状況を紹介していきましょう。

・責任が伴う批判を受け入れる事ができる
・間違いや失敗の後も学び成長することができる
・流されてYESと言わず必要とあらばNOを言える
・自分の気持ちを他人と共有することができる
・全ての人に役立つ方法で問題を解決できる
・他の人に共感する
・優れたリスニングスキルを持っている
・何かをするときに理由をハッキリと言語化できる
・他人を批判せずに気づかせることができる

心の知能指数は良好な対人コミュニケーションに不可欠です。専門家は、このEQはIQだけよりも社会的な成功をする上で重要であると信じています。
そしてこのEQはあなた次第で伸ばすことができるのです。感情を理解する事は、よりよい人間関係や幸福感、より質の高いコミュニケーションスキルの鍵になる可能性があるのです。

EQを高めるための3つのヒント

心の知能指数は確かに重要です。しかし、そもそも心や感情という目に見えない不安定なものをどう理解すればいいのか?ここにいくつかヒントを紹介していきましょう。

質問

他の人が何を感じているか?自分が何を感じているのか?それを知る最初のステップは聞くことです。そして、聞く上で最も大切なのは関心をもってる時にする行動である“質問”をことをすることです。

質問をすることによってより深く知ることができるので、まずはあらゆる角度で興味・関心をもって聞くことからはじめましょう。そして、相手の返答とその表情やボディーランゲージを見ながら何を感じているのか?を観察していきましょう。

共感・理解する

感情を理解する事は確かに大事です。人によってはその感情に強く反応をしてしまう人もいるでしょう。しかし、相手の視点を理解するために相手の立場に立つことができないと正確な判断はできません。

そのため、まずは相手に共感したり理解を示す練習をしてみてください。あなたならば彼らの状況でどう感じるのか?を想像するところから始めましょう。

言語化してみる

感情を推論する能力はココロの知能指数の重要な部分です。そのためには、まずは自分自身の感情が行動や決定にどう影響するのかを考えるところからはじめましょう。

なぜ、自分はこのように関しているのか?この感情の要因となる前提の価値観や感情や出来事はあるか?自分の受け取り方と相手の思っていることはどう違うか?このような自問自答をし言語化することによって推論能力はあがりやすくなります。

EQのデメリット

では、心の知能指数が低いとどのようなデメリットがおこるのでしょうか?これは仕事や人間関係・家族や恋人との関係などありとあらゆるところに影響を及ぼす可能性があります。
その中で最も代表的なのが・・・

議論で論破をすることが多くなったり議論から逃げる事が多くなって人間関係そのものの質が低下し、人の感情に対処することができなくなります。

これはこれで問題ですよね。しかし、心の知能指数が高くなっても問題を抱えてしまう場合が多々あるのです。

・研究によると心の知能指数が高い人は、実際には創造性や革新性が低くなる可能性があがります。
・感情的な知性が高くなると、他の人の感情を傷つけることを恐れて必要であったとしても否定的なフィードバックをすることに苦労する場合があります。
・調査によると、高いEQは他者を操作したり嘘をつく事を目的に使われてしまう場合もあります。

最後に

心の知能指数(EQ)は、私たちの日常生活において非常に重要な役割を果たします。

EQが高い人は、感情を効果的に管理し、他人の感情を理解しながら、深いつながりを築くことができます。

感情の知覚、推論、理解、管理の4つの要素をバランスよく発展させることで、EQを高めることができます。

EQを高めるためには、まずは感情を知覚し、その上で感情を理解し、適切に管理することが重要です。

例えば、他人の感情に共感し、その感情に対する適切な反応を示すことで、良好な対人関係を築くことができます。

EQが高くなると、反応する前に考える力が養われ、自知力や自己認識が向上します。

また、他人への深い共感が可能となり、コミュニケーションスキルも飛躍的に向上します。

さらに、EQは仕事や家庭、友人関係など、あらゆる場面で役立ちます。具体的には、責任のある批判を受け入れる力、間違いや失敗から学ぶ力、必要なときにNOと言える力、自分の気持ちを共有する力などが挙げられます。

これらのスキルは、より良い人間関係や幸福感、質の高いコミュニケーションの鍵となるでしょう。

本記事で紹介したEQの具体的な高め方を実践することで、日常生活の中でEQを活かすことができます。

例えば、他人の感情を理解するために質問をしたり、共感する練習をしたり、自分の感情を言語化することが効果的です。これにより、感情の推論能力が向上し、EQが高まります。

また、EQが高いことによる具体的な影響として、反応する前に考える力が養われ、自己認識や他人への共感力が向上します。

これにより、より良い人間関係やコミュニケーションスキルが得られ、充実した人生を送る手助けとなるでしょう。

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