アンカリングとは?条件付けのことを指します。わかりやすい例をあげると、犬に餌をあげるときにベルを鳴らすことを繰り返すと餌がなくてもベルを鳴らせば餌だと思ってしっぽを振ってくるという現象です。
またこのアンカリングの現象を使って最初に提示したものの特徴や価格によって後に提示されたものの数字の判断がゆがめられて最初に提示されたものを基準に判断をしてしまう認知バイアス(認知のゆがみ)のことをアンカリング効果と言います。
自分自身に使えるのがアンカリング。
他者に対して使えるのがアンカリング効果。
だと思っておくといいでしょう。
ここでそんなアンカリングとアンカリング効果両方を紹介していこうと思います。両方学ぶことによって人間の認知バイアスをどのように使えば自分自身の人生をいかに豊かにすることができるのか学びになるはずです。
アンカリングとアンカリング効果の意味と使い道
アンカリングとは?
アンカリングは主にNLPで使われていて、自らの感情を調子のいい時の感覚に戻したり何か新しい習慣をつけるために使われています。例えば、不快な感情にとらわれている中で快適な感情を想起することができたり、不快な感情を一瞬で快の感情に変えたりするときに使えるスキルです。
また、何か継続しなければならないときに習慣化をする際にも使えます。
そのため3日坊主で終わる人や目標を達成したい人がアンカリングを活用すれば自分自身の人生を望み通りに生きるために非常に効果が高いと言われる手法として使われていて、NLPコーチはこのアンカリング効果を使ってクライアントの習慣を本人が望む方向に誘導するためにも使っています。
アンカリング効果とは?
アンカリング効果は基本的にビジネス上の心理学として使われる場合が多いです。
たとえば、消費者は何かを購入しようと思った時、様々な比較要因を頭の中で描いて評価をします。
似たような商品があるなら品質や価格や口コミや金額などによって判断をするのですが、、この比較要素をこちらから作る際に使います。
最も一般的に使われているのが価格です。
消費者は最終的に損得を考慮して、その商品を購入するかどうかの決断をおこなうのですが、そこで「最初に目にした価格の数字」によって基準を作るのです。
最初に提示された数字が強く印象に残って前提条件にすることによってその後に続く数字との比較・損得で判断をするのです。つまり最初に提示した前提条件によって相手は判断を下すのです。
この心理作用を活用して説得や納得を行うのがアンカリング効果の使い方で上手に使えば自然と相手が自ら納得してあなたの望む選択に促すことができるのです。
アンカーの使い方が大事
アンカリングもアンカリング効果を使いこなす上で覚えておいてほしいことは、どちらも前提条件となるアンカーをおろすことから始まるということです。
アンカーというのは、日本語訳をすると、船の錨(いかり)です。
船の錨を使うことによって、流されないように船を固定させて停泊させることができますよね。錨があれば波や潮の流れで多少動いても固定されているので鎖の長さ以上に移動することはありえないわけです。
つまりアンカリングもアンカリング効果も・・最初に錨をおろすところからスタートするのです。
しかし、アンカーにはゴールが必要です。
アンカリング効果ならば、ゴールがなければ前提条件を作ることはできませんよね。価格ならば最初に高い金額を表示する事によって後で出した金額が割安に感じられるわけなので・・5000円で販売するという要求を通したいゴール。
だからアンカーとなる前提条件定価は10000円というのが成り立つのです。
アンカリングを活用する場合ならば、嘘をつかれたらキレてしまって会話にならないのをなんとかしたいのならば・・・どういう状態を作りたいのか?というゴールがないとアンカーをきめられないのです。
このようにアンカリング・アンカリング効果共に使いこなしたいのであるのならば「ゴール」から効果的な「アンカー」を作るところからスタートするというのはお忘れなく。
アンカリング・アンカリング効果を使う手順
それでは、最後にまとめとして使い方まで解説したアンカリングとアンカリング効果を表にしたので是非活用してください。
アンカリング対象 | 自分自身 |
主に使える場面 | 習慣化したい 悪い癖を治したい 恐怖心の除去 不安の除去 怒りの除去 |
基本的な使い方 | 得たい感情をイメージ→紐づけしたいもの やりたい行動→紐付けしたもの 不快な反応→快適な反応 を繰り返し行う。 |
具体的なステップ | STEP1.自分が得たい感情を決める STEP2.その時の聴覚・視覚・体感をイメージ STEP3.イメージがピークに達した時に合図を実行 STEP4.2~3を繰り返す STEP5.合図を実行して感情がよみがえってきたらアンカリング成功 |
対象 | 他者 |
主に使える場面 | 説得を促す 納得してもらう 商品を売る 顧客満足度の向上 |
基本的な使い方 | ハードルの高い前提条件→提示したい条件 ハードルの低い前提条件→提示したい条件 |
具体的なステップ | STEP1.通したい条件を設定します。 STEP2.低い・高いアンカー(前提条件)を設定します。 STEP3.前提条件の根拠を決めます。 STEP4.実際に使って反応をテストします。 |
アンカリング効果に関してはすぐに社会で使うことができるので、友人などの会話から練習するのもいいです。アンカリングは自分自身でまずは使ってから誰かに使うのがいいです。
コーチやカウンセラー・セラピストとして活動している人はこのスキルは実力の発揮が求められる場面で使うことになるのでまずは自分自身で使っていきましょう。