自分と特定の相手に過剰に依存していてその人間関係に囚われている状態です。主に、「人の為に過剰に犠牲を払う愛情表現、相手を愛という名のもとにコントロール」するタイプが多いです。
と言われています。
一言で言ってしまえば共依存関係になると「互いが互いの足を引っ張る関係」になってしまいます。
相互依存と似ていますが似て非なるものです。
しかし、本人からすると本気で愛情だと思っているのもあり、なかなかいい恋愛・夫婦・人間関係を築きにくいとされています。
共依存とは?その意味
共依存者は相手から依存される事に無意識に自分の存在価値を見出します。
共依存者は「相手から自己肯定感を得よう」とする傾向が高いのです。
つまり、自分基準に頼って判断できないので、相手の思い通りに動こうとしたり、相手の問題を解決しようとしたり・・と、相手を思い通りに動かすことに必死になる傾向があります。
●コミュニケーション力が乏しい
●自己評価が低い(高く見せようとする)
●他人と自分とのラインが曖昧
●抑圧的なコミュニケーション
●信頼感を失っている
●強迫観念に囚われる
●怒りの感情が正常に働いていない
●相手をコントロールしたがりできないと感情的になる
●セックスそのものを楽しめない
●現実と向き合う事ができない
●選択・行動が両極端
●何かに依存しがち
DVと共依存関係
上の共依存の人の特徴を見れば、DV(暴力・暴言)をする側もされる側も実は共依存に当てはまるというのがわかりますよね。
実際、DVはされている側が「DVをされている事に気付かない」パターンが多いのは、正に盲目的に「この人には自分が必要だ」と感じてしまっている共依存状態だからです。
DVする側も一緒で、共依存は主に
(被害者側に回ってコントロールする)・支配的攻撃「自分の思い通りにする」
(自己満足的な支配でコントロールする)
こういった関係を作る事によって、精神的な安心感を求める傾向があります。
そして、この共依存は共にいる人に大してそのまま影響を及ぼすのです。
例えば、両親が共依存関係だったのならば子供はコミュニケーションとはそういうものだというように感じます。
そして、共依存の異性を好きになって、付き合ってもその付き合い方に引っ張られる傾向があるのです。
アダルトチルドレンとは?
アダルトチルドレンとは、幼少の頃に家庭内でトラウマ(心的外傷)によって傷ついて大人になった人のことを言います。
そのため共依存とは深い関係があるのです。
共依存と相互依存(共存)の違い
共依存は「互いの人生を互いに足を引っ張り合う」事に繋がります。
自分の存在意義を「相手に求める」ので、相手が存在しないと自分のアイデンティティーが崩壊してしまうような感覚を感じてしまうため
- 本当は自分は〇〇したいんだけど相手の言うことを聞く
- 自分は〇〇が欲しいから相手に〇〇をさせる
という考え方がうまれて結果的に相手の意思・自分の意志を殺す方向にいってしまうのです。
しかしながら、相互依存は
- 自分の余力で相手にできる事で相手に貢献をする
- 自分でできないこともないけど相手にしてもらえる事に感謝できる
という関係です。
つまり、相互依存は互いが互いにやりたいことをやりながら、互いの関係をよりよくするために手助けをしあって感謝をしあえる関係なのです。
相互依存:互いに貢献し感謝をしあえる関係
共依存:互いの人生の足を引っ張り合う関係
共依存がおこりやすい関係
第一印象で「この人は共依存者だ!」というのはさすがにわかりません。
それは、共依存というのは主に
- 恋愛関係
- 夫婦関係
- 親子関係
のような深い関係になるほどおこりやすくなるからです。
確かに、付き合うまで・結婚するまでに見破ることはできないでもないのですが、確信を得るのは大体は深い関係になってからになってしまいます。
共依存と言ってもレベルがありますからね。
例えば、親から共依存のコミュニケーションを学んでしまっているアダルトチルドレンの人のならば重症度が高くなる傾向が高いです。
なので一概にちょっとした事で「この人は共依存だ!」と判断するのは早く、あくまで共依存の診断を下せるのは専門家であることは頭に入れておいてくださいね。
その上で、メンタルヘルスアメリカで提供されている共依存の兆候を見極めるためのアンケートを紹介しておきます。
共依存の兆候を見極めるためのアンケート
何度も言いますが、共依存は重症度の高さや、共依存だと判断するのは専門家でしかできません。
それを理解した上で、以下のアンケートで「自分は共依存なのかな?」「あの人は共依存じゃないのかな」と思った時に参考にしてみてくださいね。
共依存かどうかを見極めるアンケート
- 議論を避けるために無言になったことありますか?
- 他人の意見をいつも気にしていますか?
- アルコールや麻薬をしている人と一緒に住んだことはありますか?
- 殴ったり、軽蔑したりする人と一緒に住んだことはありますか?
- 他人の意見はあなた自身の主張よりも重要視してますか?
- 職場や家庭での環境の変化に順応するのは難しいですか?
- 恋人やパートナーな人が友達と時間を過ごすとき、あなたは拒絶されたと感じますか?
- 自分がなりたい自分になれるということを疑っていますか?
- 自分の本当の気持ちを他人に表現するのに壁を感じますか?
- 間違えたとき、あなたは「失敗」と感じますか?
- 褒め言葉や贈り物を受け取るのに申し訳なさを感じますか?
- あなたの子供や配偶者が間違いを犯したときに不快感が強いですか?
- 絶え間ないほど頑張らないと認められないと思ってますか?
- 誰かがあなたが何かを成し遂げるのを手伝ってほしいと望みますか?
- 警察や上司など、権威のある人と話す時に警戒心を感じますか?
- あなたは自分が何者か?または何を望むのかを考えられませんか?
- 助けを求められたときに断る事に不快感を感じますか?
- 誰かに助けを求める事は難しいですか?
- 一度に沢山の問題・課題を抱えていて混乱していませんか?
これらの項目に「YESが明らかに多い場合」は専門家に診断してもらう必要があるかもしれません。
共依存の治し方は?
まず共依存は、普通、こども時代からの経験から学んでいるため、治療には「幼児期の問題」と「現在の破壊的な行動パターン」との関係性を見つけ出して認知行動療法などで治療していくのが基本です。
また現在、共依存関係の環境にいる場合は、その環境そのものを治療(夫婦ならば夫婦共に治療)していかないといけません。
一方だけの治療の場合は、まずはその環境から切り離します。
そこから、
- 自分自身の感情やニーズを特定してまずは受け入れる。
- 自己効力感を高めて自分も他人も存在するだけで価値がある事を学ぶ
- 誰かのお願い事に対して「NO」を言えるトレーニングをする
- 自分自身で選んで自分で行動をすることを習慣化する
そして、共依存について・共依存関係について理解を深めていくことによって少しずつ回復していくのが基本です。
共依存関係が長いほど時間がかかるので、少しずつすすめていきましょう。
まとめ:共依存は改善できる
共依存は相互依存と混同しがちですが、まったく違う関係性であることがわかっていただけたと思います。
相互依存:互いに貢献し感謝をしあえる関係
共依存:互いの人生の足を引っ張り合う関係
なので、もし「自分は共依存者かもしれないな・・」と思ったり「私たちの関係性は共依存かも?」と思ったら、共依存かどうかの見極めるアンケートを参考にしてみてください。
共依存かどうかを見極めるアンケート
- 議論を避けるために無言になったことありますか?
- 他人の意見をいつも気にしていますか?
- アルコールや麻薬をしている人と一緒に住んだことはありますか?
- 殴ったり、軽蔑したりする人と一緒に住んだことはありますか?
- 他人の意見はあなた自身の主張よりも重要視してますか?
- 職場や家庭での環境の変化に順応するのは難しいですか?
- 恋人やパートナーな人が友達と時間を過ごすとき、あなたは拒絶されたと感じますか?
- 自分がなりたい自分になれるということを疑っていますか?
- 自分の本当の気持ちを他人に表現するのに壁を感じますか?
- 間違えたとき、あなたは「失敗」と感じますか?
- 褒め言葉や贈り物を受け取るのに申し訳なさを感じますか?
- あなたの子供や配偶者が間違いを犯したときに不快感が強いですか?
- 絶え間ないほど頑張らないと認められないと思ってますか?
- 誰かがあなたが何かを成し遂げるのを手伝ってほしいと望みますか?
- 警察や上司など、権威のある人と話す時に警戒心を感じますか?
- あなたは自分が何者か?または何を望むのかを考えられませんか?
- 助けを求められたときに断る事に不快感を感じますか?
- 誰かに助けを求める事は難しいですか?
- 一度に沢山の問題・課題を抱えていて混乱していませんか?
ただ、何度も言う通り、共依存かどうかは専門家しか判断できませんので、もしアンケートに答えてみてYESが多ければ、早めに専門家に相談してみましょう。
そして少しでも早く共依存の関係から抜け出し、相互依存の関係を築ける自分・相互依存の関係性をつくる方向へ向かっていってください。
相互依存は互いが互いにやりたいことをやりながら、互いの関係をよりよくするために手助けをしあって感謝をしあえる関係なので、あなたの人生がより良くなり、充実したものになりますよ!