ニューロ・ロジカル・レベルとは?
ニューロ・ロジカル・レベルの意味
ニューロ・ロジカル・レベルとは、人間の意識をステージ分けしたNLPで使われる理論のことです。
低い場所から見た景色と高い場所から景色は違うように、高い場所から見ることによって全体像を把握でき、低い場所から見ることによって具体的に詳細を把握できるように、自分と外部の関わりを違う視点で見る事ができるようになります。
それによって問題解決・行動変革を起こすためにも使えるし、悩みを解決したりトラウマを除去するためにも使えるし他者との接し方にも使うことができます。
ニューロ・ロジカル・レベルの図
ニューロ・ロジカル・レベルというのは上の図のように、人間の意識構造を6段階的で表しています。細かくすると…
- スピリチュアル・・・・自分以外の大きな存在(あり方)
- アイデンティティー・・自分自身のミッション(使命・役割)
- 信念・価値観・・・・・自分が大切にしている考え方(動機・許可)
- 能力・・・・・・・・自分の能力や知識・経験(戦略・計画)
- 行動・・・・・・・・自分の選択(行動・反応)
- 環境・・・・・・・・場所・周囲の人(機会・制約)
というようになります。
これが一体なんなのか?というと
私達、人間の選択は上のステージから下に反映されている。
とNLPでは言われています。
例えば、何かうまくいかなかったときに「自分の行動や環境・能力」に原因があると思いがちです。
「あいつは才能あるから・・俺は何の才能もないから・・・」
「あの子の家はお金持ちだから何でもできるんだよ。私なんて・・・」
才能というのは色々行動して見つけ出した自分の能力を磨いて身に着けるものだし、親は選べないわけなので・・そこに目がいっている限り自分の人生は変わりようがないですしね。
それに、本当の原因はそこにはないのです。
ニューロ・ロジカル・レベルでは、上の階層の意識が下に影響を与えるとされています。
この図ではそもそも人は「アイデンティティー(自己認識)」に基づいて「価値観(判断基準)」がうまれ、価値観に沿った「能力」を身に着けていって、「能力」を使う「行動」をし、その行動によって「環境」に影響を及ぼすということを表現しているのです。
つまり、もしあなたが現実を変えたいのであるのならば・・・目標や夢を実現したいと思っているのならば、上の階層から変えていかないとどれだけ頑張っても努力をしても効果が薄いということになります。
アイデンティティー「私は何をやってもダメな人間だ。」
という人がどれだけ目標のためにスキルを身に着けようとしても、参考書を変えても、身につかないのはアイデンティティー自体が問題になっているケースが多いのです。
つまり、ニューロロジカルレベルを自分自身で意図して使えばより問題解決が早くなり、目標設定もしやすくなる。そして、他者とのかかわりでも効果的なコミュニケーションがとりやすくなるのです。
ニューロ・ロジカル・レベルの概念を作った人
このニューロ・ロジカル・レベルは、文化人類学者のグレゴリー・ベイトソン氏の考えを基に、アメリカでコンサルティング活動や作家活動をしていたロバート・ディルツ氏が体系化した理論です。
そのため、残念ながら科学的な根拠の取り組みはされてません。
しかし、自己啓発はコーチングなどで使われるNLPという心理療法ではニューロロジカルレベルが元となっており、ビル・クリントン前大統領や俳優のアンソニー・ホプキンスなどのコーチングを行っている世界No1コーチのアンソニーロビンズが使っており今ではあらゆるコーチがNLPを活用し効果を感じている人がとてつもない数がいると思われます。
僕自身もNLPとの出会いによって変化をした一人だし実際にコーチやコンサルなどでも未だに活用して効果を実感しています。
それでは続いてニューロロジカルレベルの各階層の意識レベルをわかりやすく解説していきましょう。
ニューロ・ロジカル・レベルの意識レベルの階層をわかりやすく解説します。
もうニューロロジカルレベル自体の必要性や使い方はおわかりになったと思うのでここからもっと具体的に各意識レベルの階層をそれぞれ下位から順番に解説をしていこうと思います。
環境レベル
ニューロロジカルレベルの1番下の階層である環境というのは、言葉のまま「あなたの身の回りの環境はどんな場所で、そこにどれくらいのウエイトを占めているのか?」です。
- どこで?自分自身の身の回りの環境(場・人)
- いつ?それにどれくらいの時間を投じてるか?
環境レベルというのは、自分以外の外的な要因のことで「場所・状況・人や物など」五感を通じて認知できるもののことです。
これは本来自分自身で選択できる要素でいくらでも変えることができるはずなのですが、外部から制限されたりすることによって変えられないと信じてしまっている人もいます。
会社をやめたい!でもいつもお世話になってもらってるから。とか会社辞めたら給料なくなるから・・というのは正に環境レベルの悩みです。
行動レベル
そしてニューロロジカルレベルの2番目の段階は行動レベルです。行動レベルというのはそのまま「一体どういう行動をおこすのか?」「どういう反応をするのか?」ですね。
- What?(何をする?)具体的な行動や活動
- どんな反応をしてしまう?リアクション
行動レベルは大きく言えば、退職して転職するとかもありますが、細かく言えば、走る・食べる・お風呂を洗うなどの行動。そしてビビる・嫌な顔をするなどの反応などの要素です。
この「何をするのか?」「どんな反応をするのか?」は基本的にコントロールする事ができる要素ではあるのですが、能力(スキル・技術)がなければコントロールしきれないものもあります。
能力
そして3段階目は「能力レベル」。この特徴は先ほどの行動を起こすためのスキルや技術のことです。一体どういう能力を身に着けるのか?です。
- 何を使って?自分自身の特性・リソース・知識
- どうやって?計画や戦略・戦術
能力レベルとは、あなた自身のもっている特性やリソースや知識を活用して戦略を練り計画するステージです。ここからは同じ行動をしても他人との違いが表れて磨くことができる要素なのでコントロールできる要素です。
「どうやって?」も「何を使って」のほとんどはコントロール可能ですからね。(特性の部分は人それぞれ多少の誤差がありますが・・ニューロロジカルレベル上はコントロール可能とされてます。)
信念・価値観
そして、ここからがニューロロジカルレベルの本番にはいってくると言ってもいい4段階目の「信念・価値観レベル」です。
- Why?なぜ?それを大切にしているのか?
- どうしてそれをするのか?してはいけないのか?
信念や価値観のレベルはほとんどの人が認識できてません。
なぜなら、信念や価値観は幼少の頃から両親や学校教育によって植え付けられていることに気づいていないからです。例えば、「男は仕事・女は家事」とか「いい大学出て大企業や公務員になれば一生安泰」など。
この信念体系があるから・・
「勉強ができるから勉強できない奴はクズ」
「勉強ができない自分はダメな人間なんだ。」
という人がいて
「男のくせに給料少ないなんて」
「女のくせに家事が下手なんて」
という思いがうまれるわけです。
信念や価値観のレベルは、自分が大切にしている考え方や思い込みのことで「どんな選択をするのか?」「どんな行動をするのか?」の源であり、「何を選択しないか?」「行動してはいけないのか?」など、制限をかけるブレーキの役割もあります。
自己認識
そして、ピラミッドの頂点に君臨するニューロロジカルレベル5段階目の「アイデンティティー」。
アイデンティーとは「私は◉◉である。」という自己認識のことで世界観やミッション・目的のことです。
- Who?私は何者か?
- 私の人生の目的は?役割は?
アイデンティティーも価値観や信念同様に認識することができません。そして、多くの人は「過去誰かに言われた事」「誰かと比較してダメなところ」をアイデンティティーにしてしまうのです。
だから・・
「私はいつも何やってもダメ」
「僕は才能も能力もない。」
となり、それが邪魔して「どうせ何やってもダメだ」「人は変わらない」という価値観や「自分は何もないからな」という能力。「何やってもダメだからやらないほうがまし」と行動。「こうなったのは今の環境が悪いからだ・・でも、給料もらってるからやめるわけにはいかない」という環境に影響を与えてしまうのです。
つまり、アイデンティティーこそが最も僕たち人間の選択に影響をしているのですが・・そこに気づかないがために選択を誤ってしまう人が沢山いるのです。
スピリチュアル
そして最後にピラミッドの更に上にあるスピリチュアルです。
- Bening:自分はどうあるべきか?
- 社会はどうあるべき?世界はどうあるべき?
ニューロロジカルレベルはこれまでロジカルに納得する部分がありますが最後にちょっと怪しい側面があります。スピリチュアルは自分以外の家族・社会・国・地球・宇宙などのことです。陣地を超えた神という意味もあります。
でもこれは決して怪しい意味ではなくて、単純に自分を確立したらそれを他人や社会という視点をもってそことどう関わっていくのかというあり方を考えよう!ということです。
僕はこれを
「自分と自分と関わる全ての人にとってプラスになる」
という視点を持とうと受け取っています。
まずは自分を確立をする・・その後自分の視点だけではなく、何のため?誰のため?を意識することによって自分という存在を社会に貢献するために使うことができるようになります。
ニューロ・ロジカル・レベルの取扱説明書
ここまでニューロロジカルレベルについて詳しく解説をしてきましたが、このニューロロジカルレベルの概念はありとあらゆる状況で使うことができます。
1) 自分自身に使う(目標達成・問題解決・ストレス軽減)
2) 他人に使う(課題発見と解決・目標達成・悩みの軽減)
この2つありますが、まずは自分自身から使っていってください。ここでは実際に使う際に気をつけなければならないポイントをまとめましたのでご欄になってください。
自分を確立するところからスタートする。
NLPを活用したコーチングやカウンセリング・セラピーをする人達は、誰かのために知識を使おうとしますが、それは大きな間違いです。
ニューロロジカルレベルを見てもらえばわかるように、まずは自分自身の確立が先です。スピリチュアルの段階にいきなりいこうとすると自らが何かを実現したわけでもない状態で誰かに使おうとします。
しかし、自ら誰かのためにNLPを活かしたい。
と思っていても自分自身がNLPを活用して目標を達成したり問題を解決したりしていない状態では知識は使えないのです。
それと一緒で・・
まずはスピリチュアル(貢献)を無視して自分自身が抱えている課題や問題を解決するところから目標を設定して、アイデンティティ―の確立からスタートしたほうがスムーズに使いこなせるはずです。
下の階層から段階をあげていく
あなた自身が今抱えている問題や課題は目に見えてわかりやすいもののはずです。そのため、下の階層から順番に質問に答えていきましょう。
- Q1.環境・・・・・・・・・・それはいつ?どこでおこりましたか?
- Q2.行動・・・・・・・・・・その時あなたは何をしますか?
- Q3.能力・・・・・・・・・・どうやってやりましたか?
- Q4.信念・・・・・・・・・・なぜそれをしましたか?
- Q5.アイデンティティー・・・それはどんなあなただからですか?
この順番で自問自答していくと現在のニューロロジカルレベルがわかるはずです。そのあとに
上の階層から設定をしていく
解決した未来を設定してその未来を実現する自分をアイデンティティーから設定していきましょう。
- Q1.アイデンティティー・・・解決するあなたはどんな人間ですか?
- Q2.信念・・・・・・・・・・何を大切にしてますか?それはなぜ?
- Q3.能力・・・・・・・・・・そのためにどんなスキルが必要でしょう?
- Q4.行動・・・・・・・・・・何をするようになるでしょう?
- Q5.環境・・・・・・・・・・どこでいつやりますか?
そして、設定が終わったら変えられるところから変えていってください。
テストをする
よく、このニューロロジカルレベルで設定した新たなアイデンティティーや価値観を設定すると「これが本当の自分だ!」「これからはこんな自分になる!」とテンションはあがるはずです。
しかし、既にご存知の通り環境と行動より上の階層
・能力・スキル
・価値観・信念
・アイデンティティー
の部分はテストをしたほうがいいです。あまりに大きな目標をたてると現在との距離がわからないままになって諦めてしまうので、小さい問題や障害でいいのでテストをして試してみてください。
アイデンティティーや信念や価値観は達成した後、またはあまりにも遠い目標や問題の場合はにクライシス(崩壊状態)になる可能性があるので変えることは恐れないでくださいね。
ニューロロジカルレベルが詳しく学べるNLP本
NLP本は色々ありますが、特にニューロロジカルレベルについて詳しく学びたいのであるのならば、◉◉の◉◉さんの著書「」をご覧になってください。
この本は、ニューロロジカルレベルの基本から使うための応用までかなり具体的に解説してくれていて、NLPの基本も学んで理解するのに役立つはずです。
実践についても学びたいのならば「」の書籍もあるのでそちらをご覧になってください。
さいごに
最後にニューロロジカルレベルの6段階をまとめておきます。メモ用として活用してください。
この段階は基本的に上の階層が下の階層に大きな影響を与えるとしていますが、それぞれ影響し合ったり反発しあったりすることもありますので時々でもいいのでチェックしてみてください。
何らかの壁にぶち当たった時、目標を見失った時、障害を見極めて調整をしていってください。一度学びやったから完璧!というものではないのでそれだけは注意しておいてくださいね。
それでは!!